「メティス(Metis Grobal Limited)」という海外投資会社の「SMART-Ⅱ」という積立商品を勧誘されている人はぜひこの記事を読んでください!
メティスのSMART-Ⅱは夢のような金融商品ではありません。リスクが高いため、海外金融商品を取り扱う国内企業も推奨していない商品なのです。
この記事では「なぜメティス・SMART-Ⅱを契約してはいけないのか」ということを解説していきます。詐欺というわけではありませんが、リスクの高い海外金融商品であることは間違いありません。メティス・SMART-Ⅱの勧誘を受けている人は、今回の記事をよく読んでから判断してください。
メティスとアテナベストの関係
メティス(Metis Grobal Limited)は、「香港にあるIFA・アテナベスト社が設立した投資会社」のことです。
メティスは、香港で作られた「インテリジェンス」とクック島で作られた「SMART-Ⅱ」という2つの積立商品を販売しています。
まず、親会社である「アテナベスト」ご紹介していきます。
アテナベストは、IFA(Independent Financial Adviser:独立系ファイナンシャルアドバイザー)と呼ばれる投資会社のひとつです。金融機関に属さない資産運用アドバイザーであり、独自の立場で金融商品のプランニングを行い、運用の指示を出します。
設立:2007年
受賞歴:香港優良企業TOP100
主業務:資産運用サービス、ファイナンシャルプランニング、リタイア後の金融資産設計、海外保険商品の取り扱い、ファイナンシャルプラットフォームの提供など
ただし、資産運用が本来のメインであるはずのアテナベストですが、メティス投資会社を設立し、金融商品を自社で売り出してしまいました。その金融商品が「インテリジェンス」や「SMART-Ⅱ」なのです。
今回はSMART-Ⅱに焦点を充てて話を進めていきます。
メティス・SMART-Ⅱのリスクとデメリット
頻繁に勧誘が行われているメティス・SMART-Ⅱですが、正直なところ評判は微妙です。ここではメティス・SMART-Ⅱのリスクとデメリットを紹介していきます。
リスク
1.運用成績が悪くてもアテナベストから他のIFAに移管できない
これは決定的なリスクになります。
通常の海外積立投資商品であれば、運用成績や顧客対応、使い勝手などを考慮して自由にIFAを選ぶことができます。しかし、メティスはアテナベスト独自で扱っている商品のため、それができません。
運用が悪くてもIFAを変えることができないため、ただただ運用を見守ることしかできないのです。
2.肝心の運用成績が悪い
運用成績が良ければ、魅力的にも感じますが、実際の運用成績は過去10〜13年間で平均2%程度です。(金融商品や運用プランによって異なります)。
これは香港のIFAの中でも最低のレベルです。これでは手数料を払って±0になってしまいます。
SMART-Ⅱやインテリジェンスは特定のポートフォリオで運用を行うので、アテナベストの運用成績は関係ないように思えますが、そのポートフォリオを選んでいるのがアテナベストでありメティスです。つまり、実力が反映されているということですね。
3.メティスしか勧めない代理店は詐欺レベル
これはアテナベストやメティスの問題ではなく、紹介や勧誘する国内の代理店やブローカーの問題です。
海外金融機関や海外金融商品はたくさんあるのに、あたかもメティスの商品しかないように話をしてきます。他の海外金融機関や海外金融商品の存在を知らせないのは詐欺と言ってよいでしょう。
SMART-Ⅱを売るとコミッションを多くもらえることもそのような状況になっている要因です。個人のライフプランを無視して30年満期を進めてきたり、もっと悪い場合には「初期口座期間を過ぎたらいつでも減額や解約できる」などと言ってくることがあります。
海外積立は、一定額を長期に渡って積み立ててこそパフォーマンスを発揮するものです。代理店選びに失敗すると、SMART-Ⅱの積立で不安になっても相談もできない、解約もなかなかできないといった事態も起こります。
もし、「メティス・SMART-Ⅱを契約したが不安だ」、「メティス・SMART-Ⅱの紹介者が怪しい」ということがあれば、お気軽にお問い合わせください。さまざまな海外金融商品を取り扱える専門のFPが相談に乗ってくれます。
デメリット
上に記したリスクのほかに、気になるデメリットもあります。
1.手数料が高い
独自商品で手数料が安いとの宣伝もあるようですが、合計した諸費用を考えると、想定した手数料よりもかなり割高ではないでしょうか。
【手数料】 プラン手数料:毎月7ドル 管理手数料:時価総額に対して年間1.44% マネジメント費用:時価総額に対して年間1% 初期口座手数料:初期の2年間の積立金に対して年間4.8% クレジットカード手数料:支払金額の1%
この中で明らかに不要なのが「クレジットカード手数料」です。なぜなら、他の海外金融商品はクレジットカード手数料が無料だからです。
クレジットカード手数料がなければ他の金融商品と変わらないのですが、この手数料がかかるせいで割高になっています。
2.選べるファンドが少ない
他の金融機関では200以上のファンドから選べるのですが、メティス・SMART-Ⅱはわずか10のポートフォリオしかありません。その時々でファンドを細かくカスタマイズできないため、高いパフォーマンスは期待できないと言わざるを得ません。
メティス・SMART-Ⅱのメリットは?
リスクやデメリットの多い「メティス・SMART-Ⅱ」ですが、メリットは何かないのでしょうか?
メリットとして代理店が上げているのが、以下の二点になります。
・日本人カスタマーサポートがあること ・運用報告会があること
ただ、アテナベストやメティスは日本国内での金融ライセンスを保有していないため(香港のライセンスはあります)、「国内で営業している」と誤解を受ける可能性もあります。これは厳密にいうと、外為法違反になります。
また、運用報告会があるのも、それだけ必死に日本人顧客を獲得しようとしていることになります。
運用報告会なら良いのですが、ブローカーが主催する「勧誘セミナー」のようなものは特に注意が必要です。
まとめ
今回は、メティスとアテナベストの関係とメティス・SMART-Ⅱのリスクやデメリットを解説してきました。
総じてリスクが高く、デメリットが多いのがメティス・SMART-Ⅱです。海外金融商品は利回りが高く、将来の資産形成を担えるものですが、メティス・SMART-Ⅱにそれを任せるのは危険です。
海外金融商品を検討している人は、優良な正規代理店とよく相談してから、ベストな選択をするようにしましょう。
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