海外積立年金や海外生命保険など、人気のある海外金融商品のほとんどで積立投資を行わなければなりません。そのため、海外に資金を送ることが必要不可欠になります。
海外送金というと、国内送金に比べて手続きが面倒だったり仕組みが複雑に感じたりすることも多いと思います。普段は馴染みのない送金方法なので、そのように思うのも仕方がないかもしれません。
そこで当記事では、海外投資で必須となる「海外送金のベストな送金方法」について比較していきたいと思います。メリットやデメリットもきちんと解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくっださい。
海外投資には3つの送金方法がある
海外投資には大きく分けて3種類の送金方法があります。私たちにもなじみのある「クレジットカード決済」、「銀行送金」、「Wise(銀行以外の送金サービス)」です。
海外投資の場合、基本的には積み立てを毎月行わなければなりません。そのため、できるだけ安い手数料、簡単な手続き、確実な着金などが大切なポイントとして上げられます。
それでは、それぞれの特徴とメリット、デメリットをご紹介していきます。
クレジットカード決済
海外投資で一番使われている送金方法が「クレジットカード」です。
メリット:コストがかからず、手続きも簡単
最大のメリットはコストの安さです。銀行、Wiseなどの海外送金サービスが送金手数料や為替手数料などがかかってくるのに対し、クレジットカードであれば手数料がかかりません(手数料無料の商品が多いですが、積立金の0.5〜1%ほどの手数料がかかる商品もあります)
手続きも簡単で着金も確実性があり、すべての海外金融機関がクレジットカード払いに対応しています。
またクレジットカードを使うことによって、ポイントやマイレージがたまったり、キャッシュバックがあったりと、うれしい特典もあります。
デメリット:高額な送金には不向き
手数料がかからず、手続きも簡単なクレジットカードにデメリットは無さそうですが、カードによっては高額の送金が出来ないこともあります。使える枠が決まっているので、高額な一括払いには向きません。
また、注意点として、日本国内において海外生命保険などの金融商品の決済を順次停止しているカード会社があります。
例えば、SMBC(三井住友系カード)は2021年4月19日付けのクレジットカードによる海外加盟店一部取引の利用停止に関するご案内として下記のような案内を出しています。
現時点では通常通りカード決済ができているようですが、メガバンク系、VISAカード系、一部ショッピング系などで、この通知を出しているカード会社があります。
今まで海外投資にはVISA、Master、JCB、AMEXなどの各種クレジットカードが使えていましたが、対応策として「VISAをお持ちの方はMasterカードも作っておく」など、早めに対応策を講じておく方が良さそうです。
銀行送金
私たちがよく利用している「銀行送金」ですが、海外投資においても用いることができます。
メリット:高額な送金でも自分の口座から一括で送れる
海外投資では積み立てや生命保険など、大金を一括で送りたい場合もあるでしょう。
そのような場合には、普段利用している銀行口座から送金するのが一番確実です。ただ、送金額が数百万円までに制限される場合があるので注意が必要です。
また、ネットバンキングであれば同じ銀行であっても、送金手数料や為替手数料が安くなることがあります。
デメリット:手数料が高額で、仕組みがわかりづらい
海外送金では送金手数料に目が行きがちですが、為替レートにも注意が必要です。
なぜなら、銀行やほとんどの海外送金サービスでは、実際の為替レートに手数料(スプレッド)を乗せているからです。銀行で提示されている「本日のレート」には、各銀行が独自に設定した手数料が入っています。
また銀行手数料には、送金手数料の他に、中継地点の銀行(コルレス銀行)に支払う手数料、受金手数料(受取銀行側に払う手数料)がかかってきます。
中継銀行はこちらで指定できるものではないので、「途中でいくつの銀行を中継するか」、「いくらの手数料が発生するか」が分からないことがあります。
そのため、中継銀行の手数料を減らすには、国際業務に慣れた海外送金に強い銀行を使うのがベストと言えるでしょう(海外送金に不慣れな銀行は中継銀行が多くなりやすく、手数料が高いだけでなく、着金までの日数も長くなることが多いです)。
その他に、「リフティングチャージ料」という両替を伴わない同一通貨を送金する場合に発生する手数料があります。
*例:日本国内のUSドル預金口座からUSドルを送金する場合など
*円から円の場合は円為替取扱手数料とも言います
Wise(ワイズ)
最近、話題になっている海外送金方法が「Wise(ワイズ)」です。
メリット:手数料が安い。仕組みがわかりやすい。送金が早い
Wiseの手数料は送金手数料のみです。そのため隠れた為替手数料がなく、実際の為替レートにそった金額で送金することができます。
また、国内送金扱いとなる仕組みのため、中継銀行を経由しません。そのため、銀行送金より手数料が非常に安くなります。
そして、送金にかかる時間も1~2日、場合によっては数時間と非常に早いです(中継手数料が掛かる一部取引は事前に表示がされます)。
また送金アカウントの登録、送金はパソコンやスマホからでき、銀行と比べると手続きも簡単です。
WISE公式ホームページには送金前に手数料を知ることができるシュミレーターや現在の為替レート換算表、両替したい金額になった時にお知らせしてくれるアラートなどサイトも充実しています。
引用:Wise(ワイズHP)
デメリット:アメリカ以外の国にドルを送る場合は手数料が高い、日本円で100万円超は送金できない
Wiseのデメリットとしては、アメリカ以外の国へUSドルを送るとSWIFT送金となり、手数料が高くなることです。また、着金にも時間がかかります。
この場合、Wiseの強みである手数料のわかりやすさ、手数料の安さ、送金の早さなどのメリットはなくなり、追加手数料や中継銀行の手数料がかかってしまいます。
海外投資ではオフショア地域にUSドルを送ることが多いため、SWIFT送金になる場合には手数料などあらためて確認した方が良さそうです。
また、日本円の送金は100万円以内となっているので、高額の送金には向いていません。
海外投資にベストな送金方法を選ぶための2つの注意点
ここまで海外投資で代表的な3つの送金方法を紹介してきました。
それぞれにメリット、デメリットがあり、どれを選ぶかはその時々です。ただ、いくつかの注意点があるので、それらを踏まえた上で選択するようにしましょう。
手持ちのクレジットカードで海外送金ができるか確認しておく
海外投資では投資積立年金や海外生命保険が人気のため、ほとんどの方が毎月積立をされていると思います。
そのため、クレジットカード送金ほぼ一択という状況なのですが、決済できないカードがあるため、手持ちのクレジットカードが決済可能か事前に確認しておくようにしましょう。
もし決済できない場合は、国際ブランドであるVISAやMasterカード、AMEXなどのクレジットカードを作っておくことをお勧めします。
早めに口座、アカウントの申込みをしておく
ほとんどの海外送金では「口座、アカウント」の事前準備が必要となります。
マネーロンダリング対策が厳しくなっている現在では、利用している銀行に口座があっても、海外送金を行う場合はあらためて提出書類を要求されることがあります。また、そこから審査に時間がかかることもあるので、余裕を持って申込みしておきましょう。
今回紹介したWiseでも初回に審査があるため、早めに必要書類の準備をして登録することをお勧めします。
また、今後も海外投資や不動産購入、海外移住、留学など高額な送金の予定がある方は、国際業務に慣れた銀行に口座を作り、実績を作っておくのも良いと思います。
まとめ
海外投資のベストな送金方法として、今回は「クレジットカード決済」「銀行送金」「Wise(ワイズ)」をご紹介しました。
海外送金はとても面倒くさいと言った声を聞きますが、事前に調べて準備しておくことで、スムーズに海外投資を行うことができます。
大事な資金を無駄にしないようベストな送金方法を選んで、資産を着実に増やす第一歩にしてくださいね。
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